ケミルミネッセンスアナライザー公式サイト
ケミルミネッセンス(CL)とは・利点
発光現象について
発光とは様々な励起源によって物質が励起され、基底状態に戻る際に光として放出する現象を指します。励起源を左枠内に示し、それぞれの発光現象の呼び方を右枠内に示しました。
反応メカニズムにより発光強度、波長は異なります。
発光現象の種類
ケミルミネッセンス(CL)法(化学発光)とは
微弱発光の強度について
人の眼には見えない微弱な光は、ケミルミネッセンスの他にも、生物発光、バイオフォトンなどがあります。 これらの光を測定することでさまざまな応用に利用できますが、特に有機物が酸化劣化する際に出るケミルミネッセンスを測定して、酸化劣化度の評価に利用します。
弊社装置は酸化劣化由来のケミルミネッセンス検出の他にも、さまざまな分野で利用されています。
酸化反応由来の光
有機物は酸素下で酸化し、過酸化物(酸化物)生成されます。これらは熱や光により分解される際、励起物質(励起カルボニルなど)を生じ、それらが基底状態へ戻る際に熱エネルギーおよび光エネルギーを放出します。 具体的には過酸化物の分解過程で生じる励起カルボニル(C=O*)や一重項酸素が光ると言われ、生じるケミルミネッセンス(微弱発光)を測定することで試料の酸化劣化度を測定することが可能です。
自動酸化メカニズム
未酸化物(RH)は光や熱などの刺激によりラジカルを生じ、酸素と反応してペルオキシラジカル(ROO・)を生じ、その後過酸化物(ROOH)となります。ROOHは分解して再びROO・となり、この2分子反応によって高いエネルギー状態の励起カルボニルと活性酸素の1つである一重項酸素を生じます。
励起カルボニルと一重項酸素は励起状態から基底状態に戻る際にエネルギーを光と熱として発散します。この時に生じる極微弱な光を検出することでROOHの生成量、すなわち酸化度を測定することが可能です。これがケミルミネッセンス法であり測定値は発光量としてあらわされます。
通常は試料を加熱することでROOHを分解し、試料内に生成し蓄積している極微量のROOHを検出します。 他の測定方法ではある程度酸化反応が進まないと変化が見られませんが、ケミルミネッセンス法は酸化の中間生成物であるROOHを高感度に直接検出するため、強度などの物性低下、色の変化(黄変)などが現れる前の、酸化の極初期の変化を捉えることが可能です。
ケミルミネッセンス法の応用範囲
さまざまな分野の「酸化」を測定できます。
ケミルミネッセンス(CL)法の利点
クリックするとPDFが開きます。
ケミルミネッセンス法のメリット
- 物質の変化(酸化劣化、化学反応)を極初期に捉える
- 活性酸素、微量物質の検出
- キャビテーションや摩擦等による物理的発光の検出
- HPLC(高速液体クロマトグラフィー)やレーザ光源等と組み合わせて高感度分析
(フェムトモル、ppbレベル)が可能 ・・・などなど
CL法のメリット:初期酸化、微少な酸化を捉える
プラスチック業界のニーズ
微弱発光測定装置(ケミルミネッセンスアナライザー)を活用した測定方法のJIS(日本工業規格)とISO(国際標準化機構)規格が決定いたしました。
JIS K 7351(2018年公示)
プラスチックに含まれる過酸化物の微弱発酵の高感度測定方法
ISO 4765:2022 (2022年公示)
“Chemically-induced ultra-weak photon emission (UPE) measurement as an analysis method of degradation of polymeric material”